近年、台湾をめぐる情勢がニュースで取り上げられることが増えました
「今、台湾に旅行しても大丈夫なの?」「有事に巻き込まれないための備えは?」
と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません
我々旅行者にとっては、「台湾を思う存分楽しみたい!」と思う反面、「安全・安心」が旅の最優先事項とも言えます

しっかり備えて、安心して旅したいにゃ

特に一人旅だと不安ですよね
そこで今回は、台湾旅行を計画する際に知っておきたい「台湾有事についての基本」と「安心して旅行するための備え」について、わかりやすくまとめました
台湾の現状と旅行者への影響
台湾有事とは?報道の背景を知る
「台湾有事」とは、中国が台湾への軍事的圧力を強め、衝突が発生する可能性を指す言葉です
2016年以降、民進党が台湾の与党となっていますが、民進党は民主化運動を進めてきた政党で、方針は台湾の独立性を保つこととなっています
それに対し、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実行ない、これを台湾の独立志向に対する警告としています
最近では、日本も沖縄周辺の住民避難計画を策定するなど、緊張の高まりに備えています

台湾では毎年全住民参加の防空演習や、さまざまな想定で演習が行われています
一方で台湾にとって中国は最大の輸出入相手国であり、中国に居住している台湾人が多数いるのも事実です
台湾と中国は複雑な歴史の流れの中で、経済的には切り離せない関係でもあります

台湾の歴史や国民の考えなど現実を知ることが、旅行への安心につながるのかも
台湾への旅行、現在の危険レベルは?

このような背景ニュースで聞くと不安に感じるかもしれませんが、現在(2025年時点)台湾は平常通り観光が楽しめる状況です
外務省の「海外安全ホームページ」でも2025年4月時点で台湾は「危険レベル」に該当していません
万が一の備えは必要ですが、過度に心配する必要はありません
旅行前に準備しておくべき5つの安心対策
台湾有事に限らず、安心して旅ができるよう準備はしておきましょう
外務省の「たびレジ」に登録

「たびレジ」とは海外旅行や海外出張される方が、旅行日程、滞在先、連絡先などを登録する外務省のシステムです
登録方法は簡単で、外務省「たびレジ」のサイトにアクセスし登録します
- 出発前からLINEやメールで連絡が入り、旅先(台湾)の安全情報が入手できます
- 旅行中も台湾で自然災害や政治的な動きがあった場合に、日本語で最新の情報を受け取れます
- 有事等の事件事故の際、現地にいる日本人旅行者として支援の対象になります(支援をしてくれるということではなく、安否確認の連絡が来る場合があります)

「たびレジ」に登録後、私には旅行前にこの様なLINEが届きました
これまで、台風や窃盗、中国のロケット発射情報なども届いたことがあります

何かあった時に情報が届くことがわかっていれば安心ですね
日本台湾交流協会のホームページを確認
「日本台湾交流協会」は実質的な大使館に当たります
日本台湾交流協会のホームページには「安全情報」「緊急情報」「緊急連絡先」などが記載されていて、内容は現地在留邦人向けが主になりますが、「緊急連絡先リスト」「医療機関リスト」などがあります
有事以外にもパスポート紛失などいざという時に頼れるところです

事前にHP を確認をしておけば、トラブルが発生した時にすぐに行動ができるにゃ
現地情報がわかるサイトをSNS上に登録
(↑上記「X」の画面をクリックするとサイトにいきます)
グルメや観光地の情報のサイトだけでなく、台湾のニュースを発信しているサイトを登録しておくと時事情報を素早く入手でき、有事に関しても正確な情報を知ることができます
上記にも掲載した「中央社フォーカス台湾」は台湾の通信社で、政治、社会からエンタメまで日本語でニュースを毎日発信していて、私は普段から情報を入手しています
海外旅行保険に必ず加入
海外旅行保険とは海外旅行中に被る可能性のあるさまざまな危険、損害を補償する保険です
自宅を出発してから帰着するまでの「旅行行程中」が保険期間となります
- 病気やケガの補償(治療費用、傷害死亡・後遺障害、疾病死亡、救援者費用など)他人に対する補償(賠償責任)
- 持ち物に対する補償(携行品損害)
- その他の補償(航空機の遅延に関する補償、旅行変更に関する補償など)

ん?有事への対応は入っているのかな?
そうなんです!海外旅行保険は基本的に「平時のトラブル(病気、ケガ、盗難、事故など)を対象としていますが、有事(戦争・紛争・テロ)への対応はケースによって異なります
保険約款では多くの場合、以下のように記載されています:
” 戦争・内乱・暴動などによる損害は補償対象外 ”
つまり、テロには補償があったとしても、全面戦争や軍事衝突が発生した場合の被害は基本的にカバーされません
これに関しては「保険会社で販売されている一般の海外旅行保険」であっても「クレジットカード付帯の海外旅行保険」であっても違いはありません
近年は有事リスクの高まりを受け、以下のような補償を付けたプランも増えています
- テロ補償あり
テロ行為によって負傷した場合の治療費や死亡保険金が支払われる
一部の保険では、テロによるフライトキャンセルや遅延も補償される場合あり
※ただし、「武力衝突」と明確に判断された場合は対象外になることが多いです - 避難回避費用・緊急避難費用
紛争や政変により、急遽帰国が必要になった場合の航空券代・宿泊費などをカバー
「避難費用特約」などとしてオプション加入できる場合がある
これらも「自動付帯されている補償」、「オプション加入できる補償」と海外保険により違いがありますので、加入時に確認しておきましょう
病気や事故に備えても「海外旅行保険」への加入は必須と言えます
ご自身に合った保険を選択して加入を検討してくださいね!
現地での連絡手段・避難方法を確認

SIMとモバイル通信どちらが有利?
「現地SIM / eSIM」と「モバイルWi-Fi」は、通常時の使い勝手だけでなく、有事(災害・紛争・通信障害など)の際にも違いがあります
項目 | 現地SIM / eSIM | モバイルWi-Fi |
---|---|---|
通信インフラ依存 | 現地キャリアの回線を直接使用 | Wi-Fi端末を中継。多くは同じ現地キャリアの回線を使用 |
回線の安定性 | 比較的安定(キャリア直通) | 端末の故障やバッテリー切れで接続不能の恐れ |
SMS・通話の可否 | 可能(音声SIMなら大使館等へ直接電話可能) | 不可(データ通信は可能。VoIPアプリ使用) |
位置情報共有 | LINEやGoogleで位置共有が容易 | Wi-Fi端末が切れると位置情報も共有不可 |
再接続のしやすさ | スマホ操作で再接続可能 | Wi-Fi端末依存。機器トラブルに弱い |
モバイルWi-Fiは家族や複数人での旅行では「通信のシェア」ができて便利ですが、端末が壊れる or バッテリー切れ=完全に通信遮断のデメリットがあります
現地SIM / eSIM(音声通話つき)はテロや災害時でも自力で現地の緊急連絡先へ発信可能で、有事の際はモバイルWi-Fiより有利といえるでしょう
避難方法の確認と備え

台湾滞在中はこれらの確認をしましょう!
- 滞在先(ホテル)の避難経路を把握しておく
チェックイン時には非常口や避難階段の位置を確認しておきましょう
万一火災や有事が起きた場合、迅速に避難するためには、あらかじめホテルの避難経路図を見ておくことが重要です - 「たびレジ」や最寄りの「日本台湾交流協会」等からの情報を確認
旅行前に「たびレジ」へ登録しておけば、現地の台湾で安全情報や緊急時の連絡手段をメールで受け取ることができます
また、在台湾日本台湾交流協会の公式サイトには、最新の安全情報や連絡先、避難時の手続きなどが掲載されていて、トラブル発生時に役立ちます - パスポートと現金はいつでも持ち出せる場所に保管
急な避難や移動が必要になった場合に備えて、パスポート・現金・クレジットカードなどの貴重品は1つのポーチやバッグにまとめておき、枕元や出入り口付近など、すぐに手に取れる場所に置いておくと安心です
外出時も常に持ち歩く方が、さらに安全です
まとめ:安心の備えで旅を楽しむ

適切な準備と心構えがあれば、台湾は今も十分楽しめる旅先です
心配しすぎると旅行そのものが楽しくなくなってしまいます
大人世代だからこそ、冷静な情報収集と落ち着いた行動ができるはず!
これらを心得た上で、安心して台湾旅行を楽しんでくださいね!